- 2019.09.04
- 雛人形について
雛人形の赤い絨毯について
緋毛氈(ひもうせん)とは
ひな祭りというと赤い絨毯のイメージがありますよね。
あの赤い絨毯は『緋毛氈(ひもうせん)』と言います。
緋毛氈の色は赤色の中でも、日本古来の『緋色』で染められています。
緋色はあかね草(温帯アジア原産の草)で染められる赤のなかでも、最も鮮やかで紫色に次ぐ高貴な色とされています。雛人形の魔除けの効果もあります。
緋毛氈(ひもうせん)は江戸時代後期からひな祭りに飾られる
歴史も古く、推古天皇の時代に定められた官位12階の赤色は緋色と推測されています。
江戸時代中期の浮世絵(享保年間)によれば、裕福な町人のようなお座敷で紗布(しゃぎぬ:手で押して柄を染めるもの)の上にお内裏様や雛道具を飾っている様子が描かれています。
まだ、赤の絨毯が一般的でなかったのですね。
江戸時代後期(文久年間)の浮世絵を見ると、武家の姫君の雛飾りで、緋色の布地で雛壇を覆っているものがあります。
赤の毛氈が用いられるようになったのは、段飾りが生まれた頃のようですが、特に赤の無地布と決められていたのではありません。
春の節句にふさわしい華やかな雰囲気を醸し出すものとして、次第に広まっていったようです。
現代では赤の毛氈でひな壇を覆うのが一般的です。