- 2019.09.27
- 雛人形について
日田地方のひな人形について
日田(ひた)市は、久留米や長崎、別府、熊本、中津などへ通じる交通の要でして、江戸時代には盆地を流れる筑後川の水運で産物が集まる商業の中心地でした。その地理的な重要性のため、江戸時代には幕府の直属の領地になりました。
目次
200年前のひな人形がある天領日田資料館について
幕府の直轄地だった時代を物語っているのは『天領日田資料館』や『廣瀬資料館』です。
天保時代の人形が残る廣瀬家は、当時「掛屋」(かけや)でした。
掛屋とは、年貢のお米を幕府に代わって集めて、保管、売買をするお仕事です。
今で言うと銀行のような役割をしていました。
年貢のお金はその翌年に幕府に納める仕組みだったので、その期間に財政に苦しむ大名に貸したり、飢饉が発生した地方にお米を送ったりしていました。
その利幅で財を成すことができたようです。
京都からのひな人形も多く残っています。日田地方の山深い場所に京都からのお雛様があるのは、掛屋による財力の影響が多かったためです。
廣瀬資料館に貯蔵されている人形には「丸屋」から寄贈された人形も存在しています。「丸屋」は当時、日田一番の掛屋でした。自分の権威を表すために、贈った高価な人形も多く、一つの人形が当時の庶民の年収の2,3年分する人形もあります。
庶民に親しまれた『おきあげ雛』とは
日田市地方には『おきあげ雛』というひな人形の文化があります。
「おきあげ」とは、鮮やかな布などに綿を入れて、一つ一つ重ねて立体的に作る「押し絵」のことです。
歌舞伎や浮世絵の画材を選んで、下絵を書いて、厚紙に写します。着物の端切れなどの布地でくるんで、貼り合わせ、その中に刺すための細く削った竹を取り付けたら完成です。竹串を用いてワラや畳のヘリに挿して飾ります。
天領日田資料館には『おきあげ雛展』も開催されます。
日田醤油醸造所には『雛御殿』がある。
1842年創業の日田醤油は天皇献上の栄誉を賜る、味噌・醤油の醸造元であり、『雛御殿』として、お雛様専用展示場を設置して、店内には数千体のひな人形が並びます。
創業から170年以上「自然の素材を自然に扱う」という心がけのもとに、歴史をも醸しています。
天領日田ひなまつり健康マラソン大会も開催される
日田市には「天領日田ひなまつり健康マラソン」というマラソン大会があります。マラソン大会にひなまつりという文字が入っているように、春の時期に開催されます。2019年は3月10日(日曜日)に開催されました。
Google Mapsにあるように、歴史のある日田市内の街並みを駆け巡っていくのが特徴です。
まとめ:日田市は町全体でひな人形を盛り上げている
江戸時代の情緒あふれる街全体でひな人形をアピールしているのが日田ということがわかりました。私も日田の事を勉強していく内に行ってみたいな。という気持ちになりました(笑)